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M耳鼻咽喉科の雑木林 [建築]

昨日書いた現場の続きであります。

少し遅れてもうお一方ホコリ高き男が現場に到着。

「真打の登場ですね」と私。

すかさずM先生が「落語もされておられるそうで・・・」
(さすがに事前調査が行き届いておられる)

現場に落語家・・・?

いやいやこのお方、名古屋でも有名な造園デザイナー糟谷護さんである。落語家の顔も持ち、高座では鶴羽亭園造と名乗られる。今回竣工披露パーティーで落語をお願いしたわけではなく、本職の造園デザイナーとしてM耳鼻咽喉科のプロジェクトに関わっていただいたのである。

先月末にM先生に糟谷さんご紹介し、造園の方針などを打合せしたうえで昨日造園デザインのご説明をされに来られた。

その5月末の日、糟谷さんから設計者としてどんなイメージを持っているか問われた。先ずは造園デザイナーとして自由に発想していただいた方がよいかと思い、先ずは糟谷さんのイメージを、と答えた私。過去に何回かお手合わせいただいた関係だから、糟谷さんがどのような感じの庭を作られるか、また、私がどのような建築を作るかほぼ手の内は分っている。

だが、発想のきっかけは必要である。

三人で雑談をしているうちにM先生が実をつける植物がお好きなことが分ってきた。そのことを聞いた糟谷さんから、スイッチの入るパチンという音が聞こえた。

「実のなる樹木で雑木の林をつくる」。

昨日の高座、いや、プレゼンではその「実のなる樹木の雑木林」たるデザインを拝見させていただいた。鉛筆で描かれた柔らかなタッチのスケッチにはアプローチとなる前庭、待合、処置室、院長室からの中庭、診察室から見える樹木の梢などが描かれている。風にそよぐ樹木の葉がすれの音が聞こえてきそうな、上手くて味のあるスケッチだ。

M先生も気に入ったご様子で、「庭ができるのが楽しみです」と言っておられた。
もちろん私も。

「昔からそこにあったような、雑木の林にする」が糟谷さんの基本的なデザインの方針だそうだ。

造園の完成は3,4年先になる。
というのは糟谷さん目指す雑木の庭はある程度木が育ち、葉が繁らないといけないから。8月の造園工事完了時点ではまだ不自然な雑木林。いずれどんぐりが落ち、ジューンベリーの実のなる林となる。

気長に見守ろう。




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コメント 4

ken坊

クリエイティブなお仕事ですねぇ。
せっかく実のなる植物ならば、食べれるやつが良い・・と思うのは私が今空腹だからでしょうか・・・・
by ken坊 (2012-06-26 18:46) 

namazu

僕も食べられるのが好きです。子供の頃は良く食いましたな。あげくの果てにおなかこわしたりして。
中学校の頃、雑草研究会なるものを作って草も食べました。
今や草食系男子です。
by namazu (2012-06-26 19:51) 

K夫人

先日まで住んでいた庭は、木の数が多く、年月で繁り、それなりに毎年手をかけていたので、緑深い場所でした。
新しいところは半分は畑にし、あとは緑を楽しもうと思っています。
蛙や、みみずや、かまきりを放し飼いにできる、緑深い場所に再びなるのを夢見ています。
あと、草取りがラクになるとありがたいです(^_^;)
by K夫人 (2012-06-26 23:16) 

namazu

草取り問題。どの家でも起こっています。
緑以外のところは砂利や砕石で表面をカバーしたり、ヤブランなどの植物を植えたりしてます。それでもいくらか生えますが。芝生が一番管理が大変と、その造園デザイナーさんは言っておられました。
by namazu (2012-06-27 07:50) 

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